こんにちは、ハナコです。
この度、子育てカウンセラー/心療内科医である明橋大二さん(イラスト太田知子さん)の『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方*叱り方』を読みました。
- 『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方*叱り方』を読んだ感想
- 子どもが幸せに育つために一番大切なこととは何か
- 0~3歳の子どもの心の育て方
- 子どもの甘えと自立 かんしゃくとの向き合い方
本書によれば、“子どもの叱り方を学ぶ前に、まず、ほめ方を学ぶ必要がある”ことが大切であると書かれています。
「ほめる」とは、子どもを評価することではなく、
子どもの頑張り、成長を見つけて、その喜びを伝えていくこと。
「叱る」とは、子どもに腹を立てることではなく、
子どもが、自分も他人も大切にできるように、1つずつ教えていくこと。
それでは、早速『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方*叱り方』の紹介や感想を書いていきたいと思います。
書名:子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方*叱り方
著者:明橋大二 (イラスト 太田知子)
発行所:株式会社 1万年堂出版
発行:平成22年6月21日 第1刷発行
頁数:193ページ
(シリーズ:20 冊)
子どもが輝く「ほめ方・叱り方」のヒントがいっぱい
「毎日ガミガミどなってばかり……」「言うことを聞かない子どもを、どう叱ったら?」
多くの親は、叱り方に悩んでいます。
でも、実は、叱り方を学ぶ前に、ほめ方を学ぶことが大切なのです。
ほめ方が上手になれば、叱り方も上手に。しかも、ほめ方が上手になれば、それだけで、叱ることが減ってくるのです!
「できた1割をほめていけば、子どもはぐんぐん元気になります」「『ありがとう』は、最高のほめ言葉」「叱るときは、子どもを止めて、目を見て、短い言葉で」など、読んだその場から、すぐに実践できるアドバイスが満載です。
出典:株式会社 1万年堂出版 ホームページ
私が読んだきっかけ
『0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』を読んだことで、0~3歳頃心の土台を築くために自己肯定感を育むことが大切であると分かりました。
その上で、しつけをしていくためにはどうしたら良いのかということに興味が湧き、他のシリーズも読んでみようと思ったことがきっかけです。
こんな人にオススメ
子育てをしていると、
「社会の中で生きていくために、きちんとしつけをしたい」
「人に迷惑をかけないように、厳しく社会のルールを教えていかなければ」
「何度言っても言うことを聞かない。もっと厳しくすべきなのか?」
「わがまま放題、悪いことばかり、言われたこともできないのに、何をほめるの?」
といった心配や疑問が出てくることがあるのではないでしょうか。
でも、叱責をすればするほど、子どもは嘘をついたりごまかしたりするようになる…
この悪循環、負のループから抜け出したい人にオススメです。
感想
本書は、ほめ方を具体的に紹介し、その上で効果的な叱り方も紹介しています。
マンガやイラストが多く、見やすくて分かりやすいのでスルスルと読み進めていくことができるところが、本書の魅力です。
ほめ方の6つのポイント
①できた1割を褒めていけば 子どもはぐんぐん元気になります
10のうち、子どもが1しかできなかったとき…
✕「なんで、1しかできないの」「あとの9はどうしてできないの」
◎「1できるようになったね」「よく頑張ってきたね」
②やらない時は放っておく。やった時はすかさず褒めるのがいいんです
✕「また、片付けもしないで!」
◎「お、今日は自分からお片付けできたね!」
③「どうしてこのくらいできないの!」が、「あら、できたじゃない」に変わる魔法があります
✕「これくらいできて当たり前」と親の期待が高くなりすぎてしまう
◎「できなくて当たり前」と要求レベルを下げて、その子のペースで見る
✕「できて当然と言われる」と、大人でも腹が立ちます
◎「できないのも無理はない」と分かってもらえると救われる気持ちになる
④よその子と比較するよりも、どの子が、少しでも成長したところを、見つけていきましょう
✕「いとこの○○ちゃん、同級生の○○君は、これくらいできている」
◎「前のあなたよりも、できることがどんどん増えているね!」
⑤こんなタイプの子は、時には、失敗をほめましょう
良い子でいなくちゃと頑張りすぎる子には、時には失敗をほめる
⑥「ありがとう」は、最高のほめ言葉です
✕親が「ありがとう」を言わずに、子どもにだけ要求する
◎少しのことでも「ありがとう」と伝える
その行為は本当に叱るべきことなのか、叱る前に一度考える
本書によれば、叱り方を学ぶ前に「この行いは、本当に叱るべきこと?」かどうかを考える必要があると書かれています
私達は、意外と叱るべきでないこと、叱っても仕方ないこと、叱らなくてもいいことを叱っていることが多いようです。
それは、大きく分けて2つあります。
①実は…まだ、分かる年齢になっていない
1歳までの子 | ルールを理解することはできないので、環境づくりが大事 |
1~2歳の子 | 親の言葉や指示をだいぶ理解できるようになっているけれど、それに従うことは出来ない(「イヤ」「ヤダ」と自己主張するようになる) |
2歳の子 | 子どもは相手の言っていることを理解できるだけではなく、自分の意志を かなり上手に伝えられるようになる…けれど、まだまだ上手くいかないことが多い |
3歳の子 | ようやく、少しずつルールを守れるようになる。そこで、親は何が正しい 行動で、何が悪い行動なのか、繰り返し教えていくことが大切 |
②親によっては困ったことだが、人に迷惑をかけるほどではないこと
親にとって困ること:グズグズしてさっさとやらない、早く食べない、物をこぼす、壊す、片付けない、着替えを嫌がる、いたずらをする…などなど
本書によれば、子どもとは、元来、自己中心的で、失敗ばかりして、言うことを聞かないもの。
一度叱った後は、「今はわからなくても、そのうちできるようになるだろう」とちょっと放っておくというのがあってもいいのではないかと書かれています。
ただし、親が叱らなければならないこともあります。
それは、自分を傷つけたときや、他人を傷つけたとき。 それ以外のことは、子どもの発達段階と、親の心のゆとりを考えながら、少しずつつ伝えていけばいいようです。
叱り方の5つのポイント
①叱るときは、子どもを止めて、目を見て、短い言葉で
✕離れたところから感情的に叫ぶ
◎子供を止めて、目を見て平静に伝える
②大好き!が伝わるための、3つの大切なこと
✕「お前はダメな子ね!」と人格を否定する
◎「いきなり道路に飛び出すのは危ないから絶対やめて!」と行為を叱る
③この一言を添えると、注意を受け入れやすくなります
「気持ち」と「行動」を区別して、「気持ち」は認めるけれど、「行動」は良くないと注意する
④「あなた」メッセージではなく、「わたし」メッセージで
✕「あなたは、人の物を取ったりして、なんてわがままな子なの!」
◎「人の物を取るなんて、お母さんは悲しいよ」
⑤子どもは、言っても言っても、同じ失敗をするものです
✕1回の注意で言うことを聞かせようとする
◎「根気強い繰り返し」と、少しずつ教えていく
終わりに
本書は、子どもの心の土台である自己肯定感を育みながら、他人を思いやるための社会のルールを根気強く、少しずつ教えていくための方法(ほめ方・叱り方)が分かります。
マンガやイラストが多く、見やすくて分かりやすいのでスルスルと読み進めていくことができます。
本書の他にも、ハッピーアドバイスはシリーズ化しています。
他のシリーズの本も参考になる良書でした。ぜひ、興味のあるタイトルをご一読ください。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。